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「在留カード」による在留管理

在留カードは日本に中長期に滞在する外国人に対して交付されます。短期滞在者や不法滞在者には交付されません。

この在留カードには個人情報保護の観点から必要最小限の情報しか記載されませんが、記載事項に変更が生じた場合には法務大臣への変更届が義務付けられ、常に最新の情報が反映されるようになっています。

また、法務大臣は必要に応じて届出事項を調査できます。

さらに、在留カードには就労制限の有無、資格外活動許可を受けているなど、雇用主が在留カードを見ただけで就労可能な在留資格を保持した外国人かどうかを判断できるようになっています。

このように、在留カードはその交付を受けた外国人にとって自らが日本に中長期間滞在できる在留資格と在留期間をもって適法に在留している者であることを証明できる”証明書”または”日本滞在の許可証”としての役割を果たします。

そのため、従来は在留期間更新や在留資格変更の際はパスポートに許可の証印が貼られていましたが、在留カードには証印が行われず、その都度在留カードが発行されることになります。

在留カードの交付対象者

在留カードの交付対象者は、日本に在留資格をもって在留する一定の外国人で、以下に掲げる者以外の人となります。

  1. 3か月以下の在留期間が決定された者
  2. 短期滞在の在留資格が決定された者
  3. 外交たまは公用の在留資格が決定された者
  4. ①~③に準ずるものとして法務省令で定める者(特定活動の在留資格が決定された、台湾日本関係協会の本邦の事務所の職員とその家族及び中日パレスチナ総代表部の職員とその家族)
  5. 在留資格を有しない者
  6. 特別永住者(特別永住者には、日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(以下「入管特定法」)第7条により、「特別永住者証明書」が発行される。)

上記のいずれにも該当しない「中長期在留者」には在留カードが発行されます。

在留カードに表示される情報

在留カードは、日本に中長期間滞在する外国人(「中長期在留者」)に対し発行されるカードで、①上陸許可、②在留資格の変更許可や在留期間の更新許可等の在留に係る許可に伴って交付されます。

在留カードの大きさは、運転免許証と同じで、そこには顔写真の他に以下のような情報が記載されます。

  1. 氏名
  2. 生年月日
  3. 性別
  4. 国籍・地域
  5. 住居地(日本における主たる住居の所在地)
  6. ①在留資格 ②在留期間 ③在留期間の満了日
  7. 許可の種類及び年月日
  8. ①在留カードの番号 ②交付年月日 ③有効期間の満了日
  9. 就労制限の有無
  10. 資格外活動許可を受けているときはその旨

なお、”通称名”については法律上も運用上も在留カードには記載されず住民票で扱われます。

このような在留カードには偽変造防止対策として高度のセキュリティ機能を有するICチップが内蔵され、在留カードの券面に記載された事項の全部または一部が記録されます。

しかし、それ以外の情報がICチップに記録されることはなく、個人的な指紋情報などが記録されることはありません。

法務省 出入国在留管理庁から
法務省 出入国在留管理庁から

在留カードの交付

在留カードは平成24年7月9日の改正法施行後に、新規に入国した中長期在留者や在留期間の更新、在留資格の変更等の許可を受けた中長期在留者に対して、地方入国管理官署で順次交付されています。

①新規入国者

改正法施行後に上陸する中長期在留者には、上陸した空港や港において在留カードが交付されています。ただし、現在は新千歳空港、成田空港、羽田空港、中部空港、関西空港、広島空港及び福岡空港において上陸許可に伴い在留カードを交付する扱いとなり、その他の空港や港では上陸許可の際に在留カードを交付する予定はありません。この場合には、入国審査官がその外国人の旅券に後日在留カードを交付する旨の記載をし、当該外国人が、入国後に市区町村に住居地の届出をした後に、その住居地宛に在留カードを本人限定郵便で郵送します。

なお、この際の外国人の郵送費用負担はありません。

②既に日本に滞在している中長期在留者(永住者を除く)

原則として、改正法施行前から日本に在留している中長期在留者については、次回の在留資格の変更や在留期間の更新等の在留に係る許可時に在留カードが交付されています。

ただし、改正法施行後も中長期在留者が所持する旧外国人登録証明書は、一定の期間(多くは在留期間満了の日まで)、各種手続き等において有効な在留カードとみなされますが、既に日本に在留している中長期在留者が改正法施行後に希望する場合には、次回の在留期間の更新を待たなくても、地方入国管理官署等の窓口で申請すれば、原則としてその日のうちに旧外国人登録証明書から在留カードへの切り替えが行われています。

③永住者

「永住者」については在留カードの有効期限は、在留カードの交付の日から起算して7年を経過する日(在留カード交付の日に16歳未満の永住者は16歳の誕生日)とされており、在留カードの交付を受けた永住者は当該在留カードの有効期間の満了の日の2か月前(有効期間満了日が16歳の誕生日とされているときは、6か月前)から有効期間満了日までに、地方入国管理官署において、在留カードの有効期間の更新を申請しなければならないとされています。

なお、改正法施行前から我が国に在留している永住者が所持する旧外国人登録証明書は、原則として改正法施行の日から3年を経過する日まで有効な在留カードとみなされますが、当該永住者は、終了する改正法施行の日から3年を経過する日まで(16歳未満の場合には、3年又は16歳の誕生日のいずれか早い日まで)に在留カード(在留カードとみなされる旧外国人登録証明書)の有効期間の更新を地方入国管理官署等で自ら申請することになっています。

この期間までに在留カードの交付申請を行わなかった場合には、永住者であっても1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処せられることがあります。

さらに、これに違反して懲役に処せられたときは退去強制事由に該当することになります。

入国手続きと在留カード

空港や港における上陸許可の場合、旅券等に上陸許可の証印(証印シールの貼付)が行われます。在留カードを交付する空港の上陸審査場では、観光や商用等の一般外国人用審査ブースと在留カードの交付対象となる中長期在留者用の審査ブースに分けて上陸審査が行われています。空港で在留カードが交付される場合には、当該上陸許可に係る在留資格認定証明書交付申請や査証申請等で提出された写真を在留カードに利用するため前もって写真等を準備する必要はありません。

在留資格の変更許可等の在留に係る許可を行う場合において、外国人がその許可後に新しい在留管理制度の対象である中長期在留者となるときは、旅券等への証印(証印シールの貼付)は行われません。このときは新たな在留資格在留期間が記載された在留カードが交付されます。

一方、その外国人が短期滞在者等、中長期在留者以外の者であるときは在留カードは交付されず、旅券等に証印が行われることになります。

また、在留期間更新申請等の在留諸申請や在留カードに関する申請・届出においては、申請・届出の日から3か月前までに撮影された写真を申請書等に貼付して提出することになります。

なお、子供の在留カードなどで、有効期間が16歳の誕生日以前の日までとして交付される在留カードには写真は表示されません。

在留カードの携帯義務

中長期在留者は、パスポートを携帯しているかどうかにかかわらず、在留カードを常時携帯することが必要です。

(ただし、16歳未満の者については、在留カードの常時携帯義務が免除されています。)

入国審査官、入国警備官、警察官等から提示を求められた場合には、これを提示する必要があり、在留カードを携帯していなかったり、定時要求に応じない場合には以下のような罰則が処せられる可能性があります。

状況罰則
在留カードを携帯していなかった場合20万円以下の罰金
在留カードの提示に応じなかった場合1年以下の懲役または20万円以下の罰金

在留カードと各種届出

在留カードに関する中長期在留外国人の届出は、主に市区町村と地方入国管理官署の2つに分かれます。

①市区町村への届出

市区町村へのとどけでとしては「居住区の届出」があり、日本に新規上陸して居住地を定めてから14日以内に市区町村へ届け出ることになっています。

これは住居地移転(変更)の場合も同様で、届出の方法については任意代理人や使者等についても認められています。

なお、住居地を定めた日または新住居地に移転した日から14日以内に届け出なかった場合には、20万円以下の罰金に処されることがあります。

また、住居地に係る届出に関し虚偽の届出をした場合は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処せられることがあるほか、虚偽届出をして懲役に処せられた場合は退去強制事由にも該当します。

②地方入国管理官署への届出

氏名、国籍・地域、生年月日、性別、所属機関、離婚又は死別による配偶者との身分関係に関する変更があった場合は、14日以内に地方入国管理官署に届出をすることになります。

この中の所属機関とは在留資格「技術・人文知識・国際業務」等において在留資格取得の基礎となる存在の機関のことをいい、勤務先や学校等のことを指します。

これらに関し変更があった場合は、地方入国管理官署に届け出ることになります。ただし、「芸術」「宗教」及び「報道」の在留資格を有する者については、必ずしも所属機関の存在が在留資格の基礎とはなっておらず、在留管理上の問題が生じているものでもないことから、対象となっていません。

また、「日本人の配偶者等」等の身分・地位に基づく在留資格を有する者は、所属機関に関する変更を届け出る必要はありません。

届出をする必要があるのは、雇用契約等の契約の相手方である所属機関に関し変更が生じたときなので、例えば、同一の所属機関内の転勤については、届出をする必要はありません。

その他、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「家族滞在」「特定活動」の在留資格をもって在留している者のうち、配偶者としての身分・地位が在留資格の基礎になっている者の場合のみ、離婚、死別の時に地方入国管理官署に届け出る必要があります。ただし、「定住者」の在留資格をもって在留している者については、配偶者との離婚又は死別があっても届出をする必要がありません。なお、所属機関に関する変更や配偶者との離婚等に関する届出が必要な者が、その事由が生じた日から14日以内に届け出なかった場合、20万以下の罰金に処されることがあります。