解体工事業とは、建築物または建築物以外の工作物を除去するための工事をいいます。
この解体工事業に関連して、”登録”と”建築業許可”という2つの行政手続きが必要になります。
解体工事業登録
解体工事を請け負う営業(その請け負った解体工事を他の者に請け負わせて営むものを含む。)をしようとする者は、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」により、元請・下請の別にかかわらず、その業を行おうとする区域を管轄する知事の登録を受けなければなりません。
ただし、後で説明する土木一式・建築一式・解体工事業の建設業許可を受けている者は、この登録は不要です。
解体工事業登録が必要な工事
解体工事といってもすべての解体工事について登録が求められているわけではありません。
具体的には以下のようになっています。
工事の内容 | 種類 | 対象建設工事 | 登録 | 理由 |
建築物の全部解体 | 解体 | 解体 | 必要 | 建築物の全部についてその機能を失わせるため届出も登録も必要 |
建築物の一部解体 | 解体 | 解体 | 必要 | 建築物の一部についてその機能を失わせるため届出も登録も必要 |
曳家 | 修繕・模様替等 | 修繕・模様替等 | 不要 | 構造耐力上主要な部分である基礎から上屋を分離するが、仮設によって支えられており、また曳家をしている間でも建築物として機能しているため修繕・模様替等として扱う |
構造耐力上主要な壁の取り壊し | 解体 | 床面積が算定できない場合には対象外 | 不要 | 壁は構造耐力上主要な部分に当たるが、壁の床面積が算定できない場合にはこれをゼロとしてもよい。この場合には対象建設工事とならないため届出は不要、また壁のみの取 り壊しで建築物の除却を目的とするものでなければ、登録も不要 |
設備工事の附帯工事として壁にスリーブを抜く工事 | 解体 | 床面積が算定できない場合には対象外 | 不要 | 壁は構造耐力上主要な部分に当たるが、壁の床面積が算定できない場合にはこれをゼロとしてもよい。この場合には対象建設工事とならないため届出は不要、また附帯工事として行われるものであれば、登録も不要 |
設備工事の付帯工事として床版にスリーブを抜く工事 | 解体 | 解体 | 不要 | 床版は構造耐力上主要な部分に当たるため、それにスリーブを抜く工事は解体工事となるが、附帯工事として行われるものであれば、登録も不要 |
屋根ふき材の交換 | 修繕・模様替等 | 修繕・模様替等 | 不要 | 屋根ふき材は構造耐力上主要な部分に該当しないため |
屋根ふき材の交換に当たり屋根版が腐っている等の理由により屋根版を 交換しないと屋根ふき材の交換ができない場合 | 解体+新築 | 解体+新築 | 不要 | 屋根版は構造耐力上主要な部分に当たるため、その交換は解体工事+新築工事となる。ただし屋根ふき材の交換の附帯工事として行われる場合は、登録は不要 |
屋根版の全部交換 | 解体+新築 | 解体+新築 | 必要 | 屋根版は構造耐力上主要な部分に当たるため、その交換は解体工事+新築工事となる |
建設業(解体工事業)許可
一方、解体工事業の許可は、建設業法に基づく建設業許可で、請負金額が500万円以上の解体工事を請負う場合、この許可が必要となります。
つまり、500万円未満の工事は解体工事業の「登録」、500万円以上の工事は建設業(解体工事業)の「許可」が必要となります。
とび・土木・コンクリート工事業の建設業許可を受けていても解体工事許可が必要です
従来(2019年6月1日以前)、とび・土工・コンクリート工事業の建設業許可を受けた者は、建設業法改正に伴う経過措置として、解体工事も施工することができましたが、この経過措置はすでに終了しています。
したがって、とび・土工・コンクリート工事業の建設業許可を受けている方が解体工事を施工するためには、別途、解体工事業許可を取得しなければなりません。
有効期間
- 解体工事業登録
- 解体工事業許可
いずれも5年です。
解体工事業登録、解体工事業許可は当事務所へお任せください
解体工事業登録、解体工事業許可は、いずれも、複雑な要件があり、準備すべき書類が条件によって大きく異なります。
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