特定技能の定期届出でよくある誤りとオンライン届出の注意点

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Specified Skilled Worker / Regular Notifications

特定技能の定期届出は、受入れ後の管理体制を確認する重要な手続です

特定技能外国人を受け入れる会社は、在留資格の申請だけでなく、受入れ開始後の届出、支援記録、定期面談、雇用条件の管理も継続して確認する必要があります。

出入国在留管理庁は、2026年5月8日に「定期届出でよくある誤り集」を公開しました。また、2026年4月28日には、「オンライン定期届出について」や「電子届出システムの事前登録解説動画」、「定期届出の解説動画」も公開されています。

これは、特定技能制度において、受入機関や登録支援機関が行う届出の正確性、支援記録の管理、雇用条件との整合性が重要になっていることを示すものといえます。

実務上のポイント:
定期届出は、単に書類を提出するだけの作業ではありません。届出内容と実際の雇用状況、支援実施状況、賃金支払い、定期面談記録などが合っているかを確認する必要があります。

1.特定技能の定期届出とは

特定技能外国人を受け入れている機関は、受入れ後の状況について、一定の時期に届出を行う必要があります。対象となる内容には、受入れ状況、活動状況、支援実施状況などが含まれます。

特定技能制度では、在留資格の許可を受けた後も、受入機関が適切に雇用管理と支援を行っているかが重要です。そのため、定期届出は「許可後の管理状況」を確認するための重要な手続といえます。

在留資格申請とは別の手続

特定技能の在留資格申請が許可された後も、受入れ後の状況について届出義務があります。

受入れ後の実態確認

雇用条件、支援計画、定期面談、相談対応、生活支援の実施状況などが確認対象になります。

Organized workspace with checklists and laptop for online reporting
オンライン届出の前には、対象者、雇用条件、支援記録、添付資料を整理して確認することが重要です。

2.「よくある誤り集」が公表された意味

入管庁が「定期届出でよくある誤り集」を公開した背景には、実際の届出において、記載ミス、添付資料の不足、制度理解の不足、対象者の確認漏れなどが生じやすいことがあると考えられます。

受入機関としては、公式資料を確認するだけでなく、自社の記録管理体制を点検することが大切です。

定期届出で確認したい主なポイント

  • 届出対象となる特定技能外国人を漏れなく確認しているか。
  • 在留カード情報、雇用契約、実際の勤務状況が一致しているか。
  • 賃金台帳、出勤簿、労働条件通知書の内容に矛盾がないか。
  • 支援計画に基づく支援を実施し、記録を残しているか。
  • 定期面談、相談対応、生活支援の記録が整理されているか。
  • 登録支援機関に委託している場合、支援実施記録を共有できているか。

3.オンライン届出になっても、事前確認は省略できません

オンラインで届出ができるようになると、提出方法は便利になります。しかし、オンライン化によって、内容確認の重要性が下がるわけではありません。

むしろ、入力内容、添付資料、社内記録、登録支援機関の記録を事前に整理しておかないと、オンライン入力の段階で不備に気づきにくくなることがあります。

オンライン届出前の確認例
  • 対象者リストを作成し、在留期限・在留カード番号を確認する。
  • 雇用契約書、労働条件通知書、賃金台帳、出勤簿を照合する。
  • 支援計画と実際の支援実施記録を確認する。
  • 定期面談記録、相談記録、生活支援記録を保存する。
  • 提出後の控えや受付記録を保存する。

4.登録支援機関に委託していても、受入機関の確認責任は残ります

特定技能1号では、支援業務を登録支援機関に委託することがあります。しかし、登録支援機関に委託しているからといって、受入機関が何も確認しなくてよいわけではありません。

雇用契約の履行、賃金の支払い、労働時間、社会保険、税金、職場での実際の業務内容については、受入機関側で管理すべき事項が多くあります。

委託している場合に確認すべきこと

  • 登録支援機関との委託契約の範囲が明確か。
  • 支援記録、面談記録、相談対応記録を共有できる体制があるか。
  • 受入機関側の担当者が制度の概要を理解しているか。
  • 変更があった場合に、随時届出が必要かどうか確認しているか。
  • 定期届出前に、受入機関と登録支援機関で内容確認をしているか。
Business professionals reviewing documents during a meeting
特定技能では、受入機関と登録支援機関が連携し、雇用条件・支援記録・届出内容を整合させることが重要です。

5.届出不備は将来の申請にも影響する可能性があります

定期届出に不備があった場合、直ちにすべての案件で不許可になると断定することはできません。

しかし、特定技能制度では、受入機関の適格性、支援体制、届出義務の履行状況が重要です。そのため、届出の不備や記録管理の不足は、将来の在留期間更新、変更申請、新たな特定技能外国人の受入れ、登録支援機関との契約関係において確認対象となる可能性があります。

注意:
定期届出は「後でまとめて処理する」よりも、日常的に雇用条件、支援記録、面談記録を整理しておくことが重要です。

6.当事務所でできるサポート

トミーズリーガルサービス行政書士事務所は、行政書士事務所であるとともに、登録支援機関としても登録されています。

特定技能の在留資格申請だけでなく、支援計画、登録支援機関としての支援、定期届出・随時届出、受入機関側の体制確認についてもサポートしています。

申請と届出の整合性確認

在留資格申請、雇用条件書、支援計画、届出内容、会社資料の整合性を確認します。

登録支援機関としての支援

定期面談、相談対応、生活支援、支援記録の整理など、受入れ後の支援体制を確認します。

特定技能の定期届出・支援体制に不安がある場合はご相談ください

特定技能外国人を受け入れている会社では、在留資格の申請だけでなく、受入れ後の届出、支援記録、雇用条件の管理も重要です。

定期届出の内容に不安がある場合、登録支援機関への委託を検討している場合、または現在の支援体制を見直したい場合は、当事務所へご相談ください。

参考:出入国在留管理庁「特定技能制度」「特定技能制度における運用改善について」。本記事は一般的な情報提供であり、個別案件の許可可能性を保証するものではありません。