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パスポート(旅券)とは|VISA・在留カード・特定活動の指定書との違い

パスポートは、海外渡航のためだけの書類ではありません。日本に在留する外国人にとっては、VISA、上陸許可、在留カード、特定活動の指定書、再入国、氏名表記の確認にも関係する重要な基礎書類です。

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一般には「ビザを更新する」「ビザを変更する」と言われることがあります。しかし、入管実務では、VISA(査証)、上陸許可、在留資格、在留カード、指定書はそれぞれ意味が異なります。

この記事では、パスポートに関する基本知識を、在留資格手続や外国人雇用の現場で確認すべきポイントに絞って整理します。

1.パスポートとは

パスポートとは、国が自国民に対して発給する公的な渡航文書です。本人の氏名、生年月日、国籍、旅券番号、有効期限などが記載され、国際的な移動や本人確認の場面で使用されます。

外国人が日本で在留資格手続を行う場合、パスポートは、本人確認、国籍・地域の確認、氏名表記、入出国歴、過去の査証や上陸許可の確認資料として重要になります。

2.VISA(査証)と上陸許可は同じではありません

日本へ入国する前に、日本大使館・総領事館等で査証、いわゆるVISAの発給を受けることがあります。パスポートに査証シールが貼られることもあります。

ただし、VISAは、日本への入国を当然に保証するものではありません。最終的には、空港や港で上陸審査を受け、入管法上の要件を満たす場合に上陸許可が与えられます。

一般的な言い方 実務上の正確な意味
ビザを取る 入国前に査証を取得することを指す場合が多いです。
日本に入国して在留資格を得る 上陸審査を受け、上陸許可を受けることです。
ビザを更新する 通常は、在留期間更新許可申請を指します。
ビザを変更する 通常は、在留資格変更許可申請を指します。
注意: 相談や日常会話では「ビザ」という言葉が広く使われますが、申請書類や理由書では、査証、在留資格、在留期間、在留カード、上陸許可を区別して整理することが重要です。
査証シールや出入国スタンプが残るパスポートのページ
古いパスポートには、査証シール、上陸許可証印、出入国スタンプなどが残っていることがあります。

3.パスポートに貼られるVISAシール・上陸許可証印シール

パスポートには、入国前に発給されたVISAシールが貼られることがあります。また、日本への上陸が許可された場合、パスポートに上陸許可証印シールが貼付されることがあります。

上陸許可証印には、日本で行うことができる活動を示す在留資格や、日本に在留できる在留期間が表示されます。古いパスポートに残っている上陸許可証印は、過去の入国経緯や在留資格の変遷を確認する資料になることがあります。

ただし、現在の中長期在留者については、在留資格や在留期間の確認資料として、パスポートの古いシールよりも、最新の在留カードを確認することが基本です。

4.在留カードは現在の在留資格を確認する基本資料

在留カードには、在留資格、在留期間、在留期間の満了日、就労制限の有無などが記載されています。外国人を雇用する企業にとって、在留カードの確認は非常に重要です。

ただし、在留カードだけで全ての事情が分かるとは限りません。特に、過去の入国経緯、氏名表記の変遷、古い査証、出入国スタンプ、特定活動の指定内容などは、パスポートや指定書の確認が必要になる場合があります。

5.特定活動の「指定書」はパスポートに添付されていることがあります

在留資格「特定活動」は、在留カードに「特定活動」と記載されていても、具体的にどの活動が認められているかまでは、在留カードだけでは分からない場合があります。

そのため、実務では 指定書 の確認が重要です。指定書には、法務大臣が個々に指定した活動内容が記載されています。就労できるかどうか、どの活動が認められているかを判断するために、指定書の内容を確認する必要があります。

特定活動で上陸許可を受けた場合、指定書は、パスポートに貼付された上陸許可証印シールの付近に添付されることがあります。実務上は、パスポートにホチキス止めのような形で付いていることも多く、本人や企業担当者が見落とすことがあります。

実務上の注意: 指定書は、外して紛失しないよう注意が必要です。特定活動の方を雇用する場合や、在留資格手続を確認する場合は、在留カードだけで判断せず、必要に応じてパスポートに添付された指定書も確認してください。

指定書を確認すべき典型例

  • 在留カードに「特定活動」と記載されている場合
  • 就労できる特定活動かどうか確認する場合
  • 出国準備、継続就職活動、特定技能移行準備など、活動内容を確認する必要がある場合
  • 企業が採用前に就労可否を確認する場合
  • 更新・変更申請の前に、現在認められている活動内容を確認する場合

6.eVISAの場合、パスポートにVISAシールが貼られないことがあります

近年は、電子査証、いわゆるeVISAの制度もあります。eVISAでは、パスポートに紙のVISAシールが貼られない場合があります。

そのため、「パスポートにVISAシールがない=査証が存在しない」とは限りません。一方で、eVISAの対象となる目的や国・地域は限定されるため、就労、留学、家族滞在、経営・管理などの手続では、最新の案内を個別に確認する必要があります。

7.パスポート更新時に確認すべきこと

パスポートを更新した後は、新しい旅券番号、有効期限、氏名表記を確認しましょう。特に在留資格手続では、古いパスポートと新しいパスポートの両方が重要になることがあります。

確認項目 実務上の意味
新しい旅券番号 申請書、本人確認資料、社内記録に反映する必要があります。
有効期限 出国、再入国、次回申請時期、本人確認手続に影響することがあります。
氏名表記 在留カード、雇用契約書、卒業証明書、婚姻関係書類などとの整合性を確認します。
古いパスポート 査証シール、上陸許可証印、出入国スタンプ、指定書が残っている場合があります。
指定書の有無 特定活動の場合、活動内容や就労可否を確認するために重要です。
パスポートを更新しても、古いパスポートはすぐに処分しない方が安全です。過去の在留資格、入出国歴、氏名表記、査証、指定書の確認資料になることがあります。
出入国管理や港での移動を連想させるゲートの風景
出国・再入国の予定がある場合は、在留カードだけでなく、パスポートの有効期限や指定書の有無も確認しましょう。

8.外国人を雇用する企業担当者の確認ポイント

外国人を雇用する企業では、まず在留カードで在留資格、在留期間、就労制限の有無を確認することが基本です。

しかし、次のような場合には、パスポートや指定書の確認も重要になります。

  • 在留資格が「特定活動」の場合
  • 海外出張や一時帰国の予定がある場合
  • パスポート更新後に旅券番号や氏名表記が変わった場合
  • 過去の入国経緯や在留資格の変遷を確認する必要がある場合
  • 在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請を予定している場合
  • 家族帯同、永住許可申請、身分関係の説明が必要になる場合
企業側の実務ポイント:
在留カードのコピーだけでなく、必要に応じて、パスポートの本人事項ページ、古い上陸許可証印、指定書の有無を確認できるようにしておくと、在留資格手続や雇用管理での確認漏れを防ぎやすくなります。

9.まとめ

パスポートは、海外渡航のためだけの書類ではありません。日本に在留する外国人にとっては、VISA、上陸許可、在留カード、指定書、再入国、本人確認に関係する重要な書類です。

  • VISAと在留資格は同じではありません。
  • 上陸許可証印シールは、過去の入国経緯を確認する資料になることがあります。
  • 現在の在留資格や在留期間は、原則として最新の在留カードで確認します。
  • 特定活動の場合、指定書の確認が重要です。
  • 指定書は、パスポートにホチキス止めのような形で添付されていることがあります。
  • パスポート更新後も、古いパスポートは保管しておくことをおすすめします。

参考情報

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