在留資格「留学」の運用厳格化へ|日本語能力確認とアルバイト管理で何が変わるか
在留資格「留学」の運用厳格化へ|日本語能力確認とアルバイト管理で何が変わるか
日本語教育機関に入学する留学生について、日本語能力の確認方法と、資格外活動、つまりアルバイト状況の把握・指導がより重視される方向です。留学生本人、教育機関、アルバイト先が注意すべき実務ポイントを整理します。
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Read in English1.今回の見直しのポイント
出入国在留管理庁は、在留資格「留学」に係る運用の適正化として、日本語教育機関に入学する者について、日本語能力確認と資格外活動の把握・指導を強化する内容を公表しています。
大きなポイントは、次の2つです。
- 日本語教育機関への入学者選考時における日本語能力確認が、より具体的に求められること
- 留学生の資格外活動、つまりアルバイト状況について、教育機関側の把握・指導・記録保存が重視されること
報道では「在留資格『留学』の運用厳格化」と表現されていますが、実務的には、留学生本人だけでなく、日本語教育機関、場合によってはアルバイト先の管理にも影響する見直しです。
2.日本語能力確認は何が変わるのか
これまでは、在留諸申請時において、150時間以上の日本語学習歴をもってA1相当以上の日本語能力を立証できる扱いがありました。
しかし、適用時期後は、試験の証明書又は面接による確認が必須とされます。つまり、「日本語を150時間勉強しました」という学習歴だけではなく、試験結果や面接記録など、実際に日本語能力を確認したことが分かる資料が重要になります。
注意:ここでいう「A1相当」は、JLPTの「N1相当」という意味ではありません。A1は、CEFRやJF日本語教育スタンダードなどで使われる初級レベルの尺度です。JLPTのN1は最上級であり、A1とはまったく別の基準です。
実務上準備しておきたい資料
- JLPT、BJT、JFT-Basic等の試験結果
- 日本語学校側が実施した面接記録
- 面接で確認した内容、質問、回答、日本語能力の評価
- 各種確認書
- 入学理由、学習計画、進学又は就職の見通しを説明する資料
3.適用時期はCOE・変更・更新で異なる
適用時期は、申請類型によって異なります。ここを誤ると、準備すべき資料の判断を間違える可能性があります。
| 申請類型 | 適用時期 | 実務上の注意点 |
|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 2026年10月以降に入学予定の学生に係る申請から | 海外から日本語教育機関へ入学する予定の学生は、出願・面接段階から準備が必要です。 |
| 在留資格変更許可申請 | 2026年7月1日以降の申請から | 既に日本にいる人が「留学」へ変更する場合、早めに日本語能力確認資料を整える必要があります。 |
| 在留期間更新許可申請 | 2026年7月1日以降の申請から | 在学中の出席状況、成績、資格外活動状況も含めて確認される可能性があります。 |
4.資格外活動、アルバイト管理の強化
留学生がアルバイトをする場合、原則として資格外活動許可が必要です。包括許可の場合は、通常、1週について28時間以内であり、教育機関の長期休業期間中は1日8時間以内とされています。
今回の見直しでは、日本語教育機関が、留学生の資格外活動について、3か月に1度、資格外活動許可の有無、アルバイト先、活動内容、毎日の活動時間などを確認することが求められています。
確認される主な事項
- 資格外活動許可を受けているか
- アルバイト先の名称
- 複数のアルバイト先がある場合は、その全て
- 実際の業務内容
- 毎日の勤務時間
- 違反があった場合の指導内容と改善状況
5.留学生本人・学校・雇用主の注意点
アルバイト先が複数ある場合、「1社ごとに28時間以内なら大丈夫」と誤解しないことが重要です。勤務時間は合算で確認されるのが原則です。
入学時の日本語能力確認だけでなく、在学中の出席、成績、生活状況、資格外活動状況を継続的に確認し、記録化する体制が重要になります。
在留カード、資格外活動許可の有無、シフト時間を確認するだけでなく、本人に他社勤務があるかどうかも確認する運用が望まれます。
試験証明書がない場合でも面接確認の余地はありますが、面接方法、確認内容、評価結果が客観的に分かる資料が必要になります。
6.典型的な誤解
誤解1:A1相当はN1相当である
これは誤りです。A1は初級レベルを示す別尺度であり、JLPTの最上級であるN1とは異なります。
誤解2:150時間の学習証明があれば今後も十分
今後は、適用時期後の申請について、試験証明書又は面接による確認が重要になります。学習時間だけに頼る準備は危険です。
誤解3:アルバイト時間は勤務先ごとに見ればよい
複数のアルバイト先がある場合でも、資格外活動の時間は原則として合算で管理する必要があります。
7.当事務所の実務コメント
今回の見直しは、在留資格「留学」について、形式的な入学許可や学習歴だけでなく、実際に日本で学ぶ意思と能力があるか、また在学中の活動が在留資格に合っているかをより丁寧に確認する流れと考えられます。
特に、日本語教育機関から専門学校・大学等へ進学する場合、又は「留学」から就労系在留資格へ変更する場合には、過去の出席状況、成績、アルバイト状況、日本語能力の説明が重要になります。
申請直前に資料を集めるだけでは対応が難しい場合があります。更新・変更の予定がある場合は、早めに在留カード、学校資料、出席・成績証明、アルバイト状況、日本語能力資料を整理しておくことをおすすめします。
参考情報
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トミーズリーガルサービス行政書士事務所では、在留資格「留学」の更新、変更、資格外活動、就労系在留資格への変更に関するご相談を承っています。
ご相談の際は、在留カード、学生証、出席・成績証明、アルバイト状況、日本語能力を示す資料を可能な範囲でご準備ください。