特定技能1号から2号へ:外国人も会社も得をする“定着ロードマップ”(2号は支援計画不要)
結論:特定技能2号は、外国人本人にとっては「長期の人生設計」、会社にとっては「定着・戦力化」を実現しやすい制度です。
そして、まず大事な誤解をひとつ解消します。特定技能2号は、1号のような“支援計画(10項目支援)”が不要です。
「試験に合格したのに、手続が進まない」— 実務で起きる“止まり”
特定技能2号の試験に合格し、本人も会社も「次へ進みたい」と思っているのに、手続が止まる/想定より進まないことがあります。
このとき誤解されやすいのが、「支援機関のやる気がない」「会社が非協力」という見方です。実務では、多くの場合、止まる原因は次のどちらかです。
- (1)1号フェーズの運用が未整理:支援(自社or委託)・担当・記録・届出の設計が曖昧
- (2)2号要件の証明が弱い:分野別に必要な実務経験・日本語・証拠の整備が不足
ポイント:「支援担当者が足りない」「面談運用が回らない」などの問題は、主に“特定技能1号”の義務的支援をどう回すかの話です。2号そのものは支援計画(10項目支援)の対象外なので、論点を分けると一気に整理しやすくなります。
まず誤解を解消:2号は“支援計画(10項目支援)”が不要
2号で「不要」になるもの
- (1)1号特定技能外国人支援計画の作成・提出(提出が必要なのは1号)
- (2)義務的支援10項目の実施・記録(対象は1号)
- (3)登録支援機関への委託が前提という発想(2号は支援義務がないため)
一方で、2号になっても、会社の労務管理・安全衛生・適正雇用は当然に重要です。
「支援義務がない=放置してよい」ではありません。
特定技能2号を勧める理由:外国人にも会社にも“効く”メリット
外国人本人に刺さるメリット(For Foreign Workers)
- (1)在留の更新上限がない(更新を続けられる限り長期在留が可能)
- (2)一定の条件の下で家族(配偶者・子)の帯同が視野に入る
- (3)長期前提で、住まい・教育・キャリアなどの人生設計が立てやすくなる
EN (quick):SSW(ii) makes long-term life planning more realistic — stability, career growth, and family options.
受入企業に刺さるメリット(For Employers)
- (1)定着しやすい:本人の将来が会社と連動しやすく、離職・転職リスクを下げやすい
- (2)現場の中核人材(班長・教育係・サブリーダー)を育てられる
- (3)採用より育成→定着→戦力化の投資対効果が高くなる
- (4)2号は支援計画が不要なので、1号の運用負担(支援10項目)から一段軽くなる
なぜ「合格しても止まる」のか:原因は2号ではなく“準備不足”
(A)止まりやすいのは “1号の運用設計”
特定技能1号では、支援(自社実施または登録支援機関へ委託)を前提に、支援の運用・記録・届出を回す必要があります。ここが曖昧だと、申請・変更・更新の局面で止まりやすくなります。
(B)もうひとつは “2号要件の証明(疎明)”
2号は「熟練技能」が前提です。試験合格が強い材料になる一方で、分野によっては、実務経験(指導・工程管理・責任範囲など)を客観資料で示す必要があります。
つまり、止まる原因は「支援」ではなく、証明の設計であることが多いのです。
分野別に見える“準備の違い”(代表イメージ)
外食業:日本語(N3)と現場運用が武器になる
外食業では、2号に向けて日本語力(例:N3レベル)を求める整理がされているため、現場での指示・教育・クレーム対応ができる人材が評価されやすくなります。
- (1)本人:日本語は「試験対策」ではなく昇格の道具
- (2)会社:日本語+教育係の役割を与えると2号化が現実的
建設:班長レベルの実務経験と“証明できる記録”が鍵
建設は、班長・職長などの役割や就業日数など、実務経験の立証が重要になりやすい分野です。
「実際にはやっている」のに「証明できない」ことが、最大のボトルネックになります。
- (1)本人:担当工程・指導内容・日々の役割を記録できる形で残す
- (2)会社:役割定義(班長/職長)と就業記録を仕組み化する
刺さるロードマップ:1号のうちに“2号プロジェクト”として設計する

会社が決めること(最短で進む順)
- (1)方針:誰を、いつ、2号へ上げるか(目標時期を決める)
- (2)1号の運用:支援は自社か委託か/担当者は誰か/面談・記録・届出を誰が回すか
- (3)証明設計:2号要件の証拠を「何で出すか」を決める(勤務記録、役職、評価、教育実施記録など)
本人がやること(交渉の武器になる)
- (1)分野別の要件を把握し、会社に「必要な準備」を説明できるようにする
- (2)役割アップの実績づくり(教育係、サブリーダー、班長補佐)
- (3)証明に使える記録づくり(職務内容、担当範囲、評価、教育実施など)
外国人本人向け:会社に確認すべき質問(コピペOK)
- (1)私は2号の対象分野に該当しますか?
- (2)2号に必要な要件は何ですか?(試験/実務経験/日本語)
- (3)実務経験は何で証明しますか?(勤務記録、役職、評価、教育実施記録 等)
- (4)手続の担当は誰ですか?(会社/登録支援機関/行政書士)
- (5)スケジュールは?(受験→証明整理→申請)
- (6)2号は支援計画が不要ですが、1号の支援運用は誰が回しますか?
会社向け:2号人材を“作れる会社”チェックリスト
- (1)役割定義:班長・教育係の職務(工程・品質・安全・指示)を文章化している
- (2)育成設計:日本語・技能・指導のトレーニングを用意している
- (3)記録の仕組み:就業日数・役職・教育実施が証明できる形になっている
- (4)1号の支援運用:支援の担当・手順・記録・届出が回る体制になっている
- (5)申請の段取り:必要書類を集める担当と期限が決まっている
FAQ:よくある質問
Q(1)特定技能2号になっても、登録支援機関の支援は必要ですか?
A:原則として不要です。2号は1号のような支援計画(10項目支援)の対象外です。
Q(2)では、なぜ「支援のキャパ不足」で止まると言われるのですか?
A:それは多くの場合、特定技能1号の義務的支援の運用が原因です。2号になった後の話ではなく、1号運用と2号要件の証明が整理されていないと、移行の局面で止まりやすくなります。
Q(3)行政書士が2号申請をするときの注意点は?
A:最大の注意点は、分野別要件に沿った“証明設計”です。試験合格だけでなく、実務経験・役割・記録を「客観資料」で出せる形に整えることが重要です。
当事務所のサポート
トミーズリーガルサービス行政書士事務所では、「止まらない設計」を重視して支援します。
- (1)特定技能1号:受入れ設計(支援体制・委託スキーム)、運用ルール整備
- (2)特定技能2号:分野別要件の確認、実務経験の整理、疎明資料の設計、申請書類一式
- (3)登録支援機関:体制整備、運用ルール(記録・面談・届出)づくり
ご相談の入口:
「2号に進めるか判定してほしい」「合格後に止まっている理由を整理したい」「会社として2号人材を育成したい」など、状況に合わせて最短ルートをご提案します。
お問い合わせ:
トミーズリーガルサービス行政書士事務所(横浜)
電話:045-550-5135
投稿者プロフィール

- 行政書士
-
日系理化学機器輸入商社、日系センサーメーカー、外資系真空機器メーカー、外資系化学装置メーカーでの国内外業務を経て、令和2年度行政書士試験に合格。令和3年4月、トミーズリーガルサービス行政書士事務所を開業。
現在は入管業務(VISA・在留資格)を中心とした専門事務所として、外国人の雇用・受け入れ、企業の国際人材戦略、在留手続のオンライン申請支援を行う。
企業・個人いずれのクライアントにも寄り添い、迅速・丁寧で負担の少ない手続きをモットーとする。
また、国際業務の経験を生かし、英語での各種案内・申請支援にも対応。
趣味: バイク(GB350C)、ツーリング、Uber Eats 配達、テニス、ゴルフ
English:
After working in Japanese and foreign-affiliated companies in the fields of scientific instruments, sensors, vacuum equipment, and chemical processing machinery, I passed the national Administrative Scrivener examination in 2020 and founded Tommy’s Legal Service Administrative Scrivener Office in April 2021.
My practice is specialized in immigration procedures—visa applications, extensions, changes of status, and online filings for both companies and individuals. I support employers and foreign nationals with fast, accurate, and stress-free application processes.
English guidance and bilingual documentation are also available.
Hobbies: Motorcycles (Honda GB350C), touring, Uber Eats delivery, tennis, golf
最新の投稿
行政書士の業務2026年1月15日From SSW1 to SSW2: A Practical Roadmap for Long-Term Retention (SSW2 Does Not Require a Support Plan)
外国人雇用・人材定着2026年1月15日特定技能1号から2号へ:外国人も会社も得をする“定着ロードマップ”(2号は支援計画不要)
Visa Information2026年1月11日Latest Updates on the Specified Skilled Worker (SSW) Visa Program in Japan
在留資格2026年1月11日【2026年最新】特定技能ビザの最新動向と注意点

