永住許可・帰化は「税金・年金・社会保険」で差が付く:2027年4月施行予定の“永住取消”と今すぐできる準備

2027年4月施行予定:「永住取消」が現実的なリスクになる時代へ

更新のない永住者について、政府方針として「公的義務(税・社会保険料等)を適正に履行していること」を永住許可ガイドライン上も明記し、厳格審査を行う旨が示されています。

さらに、入管法改正により「永住許可要件の明確化」および「永住者の取消事由の追加」を行い、令和9年4月(2027年4月)施行に向けて、ガイドライン策定など運用準備が進められる方針です。


ポイント1:そもそも「公租公課」とは?

一般に「公租公課」は、税(国税・地方税)に加え、社会保険料などの公的負担を含む概念として扱われます。
永住・帰化を検討される方は、次の支払い状況が“見られる前提”で準備するのが安全です。

  • 住民税(市区町村)
  • 所得税(該当する場合)
  • 国民年金/厚生年金(加入区分に応じて)
  • 国民健康保険/健康保険(加入区分に応じて)

ポイント2:永住者は「更新がない」からこそ、制度が動く

永住者は在留期間更新がないため、許可後に要件を満たさない状態(未納・未届など)となるケースが問題視されてきました。
政府資料でも、在留状況が良好でない一部の永住者を容認し続けることが、適切に在留する大多数の永住者への不当な偏見につながり得る、と整理されています。

ポイント3:すでにある取消リスク(住所届出・不正取得など)

「公租公課」以前に、現行制度でも永住者の在留資格が取り消され得る典型例があります。たとえば、住居地の届出義務違反(未届・虚偽)や、不正手段による許可取得などです。
まずは住所変更の届出手続での整合性を、基本として徹底しましょう。

ポイント4:帰化も“整合性”の観点から厳格化が検討されている

政府方針では、永住許可との整合性の観点から、帰化審査(「日本社会に融和していること」等)の評価の在り方について、検討を進める旨が明記されています。
また、法務局の帰化手続では、納税・社会保険料の納付状況を確認する資料の提出が求められる運用が一般的です。


今すぐできる「永住・帰化」セルフ点検チェックリスト

  • 住民税:直近分に未納・滞納がない/納付書や納税証明で説明できる
  • 年金:未納期間がない(または免除・猶予の正式手続きをしている)
  • 健康保険:未納・切替漏れがない(転職時の国保↔社保の空白に注意)
  • 住所届出:引越し後の届出漏れがない(在留カード情報と住民票の整合)
  • 支払い証拠:領収書・ねんきん定期便・納付証明などが揃っている

未納がある場合の“安全な整え方”

未納がある場合は、放置や自己判断での「とりあえず一括払い」よりも、自治体・年金事務所等で正式に相談し、分納・猶予・免除などの制度を使った上で、説明可能な形に整えることが重要です。
「故意に支払わない」と評価されないためにも、相談記録・決定通知・納付計画など、客観資料を残しましょう。

議論もある:『過剰制裁では?』という指摘

一方で、弁護士会などからは「公租公課不払いを理由に在留資格を失わせることが過剰制裁になり得る」との懸念も表明されています。
そのため実務では、“故意”の判断や運用ガイドラインが重要になります。制度が動く前に、問題を“未然に解消”しておくのが最も確実です。


当事務所のサポート

トミーズリーガルサービス行政書士事務所では、永住許可・帰化の見通し確認、納税・社保状況の棚卸し、説明書類の整理、理由書作成まで一貫してサポートします。
「未納期間がある」「転職で保険の切替が空いた」「家族分も含めて整えたい」など、早めにご相談ください。

参考(一次情報)

※本記事は一般的な情報提供であり、個別案件の法的判断を保証するものではありません。最新の運用は変更される可能性があります。

投稿者プロフィール

富永大祐
富永大祐行政書士
日系理化学機器輸入商社、日系センサーメーカー、外資系真空機器メーカー、外資系化学装置メーカーでの国内外業務を経て、令和2年度行政書士試験に合格。令和3年4月、トミーズリーガルサービス行政書士事務所を開業。

現在は入管業務(VISA・在留資格)を中心とした専門事務所として、外国人の雇用・受け入れ、企業の国際人材戦略、在留手続のオンライン申請支援を行う。
企業・個人いずれのクライアントにも寄り添い、迅速・丁寧で負担の少ない手続きをモットーとする。

また、国際業務の経験を生かし、英語での各種案内・申請支援にも対応。

趣味: バイク(GB350C)、ツーリング、Uber Eats 配達、テニス、ゴルフ

English:
After working in Japanese and foreign-affiliated companies in the fields of scientific instruments, sensors, vacuum equipment, and chemical processing machinery, I passed the national Administrative Scrivener examination in 2020 and founded Tommy’s Legal Service Administrative Scrivener Office in April 2021.

My practice is specialized in immigration procedures—visa applications, extensions, changes of status, and online filings for both companies and individuals. I support employers and foreign nationals with fast, accurate, and stress-free application processes.
English guidance and bilingual documentation are also available.

Hobbies: Motorcycles (Honda GB350C), touring, Uber Eats delivery, tennis, golf

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